昭和テイストのセクハラおやじ
職場に、中途採用の50代男性がきました。
昭和のテイストを引きずっているようで、絵にかいたようなセクハラおやじでした。
不必要に女性を触る、話すときは異常に近づく、会話の内容も「彼とはどう?」「まだ結婚しないの?」という内容です。
女性も妙齢の人以外は、下の名前に「ちゃん」付けで呼んでいました。
特に飲み会のときは本領発揮、キャバクラと勘違いしているのでは、という行動が目立ちました。
会社の社風としては、それまでセクハラするような人はいなかったので、カルチャーショックを受けました。
「減るもんじゃないし」??
私は呼ばれたときに、肩を触られたことがあります。
条件反射で身体をのけぞり、にらみつけてしまいました。
その男性は、「減るもんじゃないし」とニヤニヤしていました。
ドラマやブログなどででてくる、典型的なセリフを生で聞き、そんなこと本当に言う人がいるんだとびっくりしました。
そんな調子だったので、女性はもちろん男性社員にも嫌われていました。
ただ、空気を読んでか、陰では「セクハラおやじ」と呼ばれていても、みんなはっきりとした意思表示をしていませんでした。
誰も助けてくれない
私はその男性と業務上で接点が多く、他の女性に比べて被害が多かったと思います。
陰では、みんな良く思っていないのに、誰も助けてはくれません。
上司に相談しても、はっきりしない態度にイライラしていました。
日に日に会社に行くのが苦痛になり、その男性を、生理的に受け付けなくなりました。
始めは中途採用で慣れないと思い、やさしく抑えて接していましたが、自然と態度に出るようになりました。
静かな職場に響く「〇〇さん、それってセクハラですよ!」
そんな時、いつものように肩を触られて、ゾッとし睨みつけたところ、いつものように、「減るもんじゃないし」というセリフを言われました。
その日は、別のことでもイライラしていたことも重なり、愛想よくできませんでした。
軽蔑のまなざしとともに、低い声で「〇〇さん、それってセクハラですよ」と言いました。
たまたま職場が静かだったこともあり、予想外に私の声が響きました。
みんなの視線が集まり、一斉に、その男性に冷たい視線が集まりました。
さすがにその男性も、空気を読んでまずいと思ったようです。
いつもの元気はなく、その日は大人しくなりました。
その日を境に、職場全体がセクハラを許さない雰囲気に!!
私はこれに味をしめて、それ以降はことあるごとに、「セクハラですよ」と言うようになりました。
他の女性たちも今まで溜まっていたのでしょう。
その男性に触られると、「セクハラですよ」と言うようになりました。
見て見ぬ振りだった上司も、セクハラまがいの会話で女性が困っているときには、「〇〇さん、それはまずいんじゃないかな」と言ってくれるようになりました。
完全にセクハラがなくなったわけではありませんが、以前に比べかなりマシになりました。
偶然によるものですが、職場全体がセクハラを許さない雰囲気になり、元の穏やかな職場へ戻りました。